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工場の熱中症・暑さ対策って?個人でできることや全体の暑熱対策など

2025.09.09
ディスクグラインダー金属をカットとする作業員男性手元
夏場の暑さが年々厳しくなるなか、以前に増して工場の暑熱対策の重要度が上がっています。
しかし、一般的なオフィスに比べると工場の暑熱対策は実施が難しいという課題もあるでしょう。

そこで本記事では、工場での熱中症・暑さ対策の重要性と具体的な取り組み方を解説します。
工場における熱中症対策として高い効果が見込めるおすすめの空調設備も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
 

工場の熱中症・暑さ対策の重要性

工場の熱中症・暑さ対策の重要性
夏場の工場では、熱中症・暑さ対策の重要性が高まっています。熱中症・暑さ対策が求められる主な理由は、以下の通りです。
 
  1. 熱発生源が多く、工場内の気温が上昇しやすい
  2. 熱がこもりやすい構造の建物が多い
  3. 作業そのものの熱中症リスクが高い
1つめの理由は、工場には多数の熱発生源があるからです。工場にある多数の生産設備や検査設備は動力源として電気を使うので、駆動する度に熱が発生します。工場の様々な箇所に熱発生源が点在するため、必然的に工場内の気温は高くなってしまうのです。
2つめは、工場の建物は一般的に熱がこもりやすいからです。工場は窓や入り口が少なく、風通しも悪い建物が多いため、熱がこもりやすい環境といえます。加えて、屋根で大量の太陽光を浴びる状態が続くため、必然的に気温・湿度の高いサウナのような環境になってしまうのです。
3つめの理由として、工場内での作業自体も熱中症リスクを引き上げる要因になります。熱中症リスクは工場内の気温・湿度だけでなく、作業強度によっても増減します。たとえば、安静時における熱中症対策が必要な気温の目安は32〜33℃程度です。対して、作業をしている状態では、25〜30℃程度でも熱中症リスクが高まります。

参考:職場における熱中症対策の強化について
上記のような理由から、工場は一般的な職場環境よりも熱中症の発生リスクが高いといえるでしょう。

対策を怠るリスク

工場において熱中症対策を怠ってしまうと、従業員に健康被害が生じるリスクがあります。具体的には、以下のような症状が発生する可能性があるでしょう。
 
  • めまいや顔のほてり
  • 筋肉痛や筋肉の痙攣
  • 体のだるさや吐き気
  • 40℃を超える高熱
  • 皮膚の異常
  • 意識を失う
  • まっすぐ歩けなくなる
  • ひきつけを起こす など
参考:熱中症の症状 | 熱中症ゼロへ – 日本気象協会推進
 
熱中症は段階的に進行し、処置が遅れると熱射病を引き起こします。熱射病によって脳内の温度が上昇すると、中枢神経に異常が起こり、さまざまな臓器に障害が出るだけでなく最悪の場合、命を落とす危険性もあります。
また、熱中症の発生リスクが高い暑熱環境では、作業効率も上がりません。大切な従業員の健康を守るだけでなく、業務効率や生産性を高めるためにも、熱中症リスクの低い環境を整える必要があるでしょう。

工場の熱中症・暑さ対策の方法

工場の熱中症・暑さ対策の方法
工場内における熱中症の発生を予防するためには、経営者・管理者だけでなく、従業員一人ひとりが意識的に対策することが大切です。ここからは、個人と工場全体に分けて、熱中症予防に効果的な対策を紹介します。

個人の対策

工場で働く従業員ができる主な暑さ・熱中症対策は、以下の通りです。
 
  • 涼しい服装を選ぶ
  • 冷感グッズを活用する
  • 水分・塩分補給を徹底する
  • 休憩をこまめにとる
  • 日頃から健康管理を意識する
ここからは、各対策のポイントを詳しく解説します。
 

涼しい服装を選ぶ

工場内における個人的な対策として、できるだけ涼しい服装を選ぶことが大切です。具体的には、麻や綿など、透湿性と通気性が高い生地の服装を着用しましょう。
また、吸水性・速乾性に優れた素材やメッシュ生地の下着を着用するのも効果的な対策です。近年は、体温の低下に役立つ冷感素材の作業服や肌着も多いため、有効活用すると熱中症予防につながるでしょう。
 

冷感グッズを活用する

冷感グッズの活用も個人でできる熱中症対策の一つです。具体的には、以下のようなアイテムを積極的に活用しましょう。
 
  • 冷感シート
  • 冷却スカーフ
  • 小型扇風機
  • 空調服 など
なお、首元など太い血管が体の表面付近を通っている箇所を冷却すると、効率的に体温を下げられます。したがって、効果の高い部位をピンポイントで冷却できる冷感シートや、冷却スカーフは熱中症予防に役立つアイテムといえるでしょう。
また、個人的に活用できる小型扇風機を使用するのも良い方法です。近年では、工事現場や工場など過酷な暑熱環境における熱中症対策として、服に小型ファンがついている空調服を導入・支給している企業もあります。
上記以外にもさまざまな冷感グッズが開発・販売されているため、作業中でも使いやすいアイテムを活用しましょう。
 

水分・塩分補給を徹底する

熱中症を予防するためには、従業員一人ひとりのこまめな水分・塩分補給も重要です。
水分・塩分補給の目安としては、厚生労働省の「職場における熱中症予防対策マニュアル」が参考になります。このマニュアルでは、WBGT(※)が基準値を超えている場合は、0.1~0.2%の食塩水か、100㎖あたり40~80mgのナトリウムが含まれたスポーツドリンクなどを20~30分ごとにカップ1~2杯程度摂取することを推奨しています。
発汗による水分・塩分不足は、熱中症を引き起こす大きな要因の一つです。水分・塩分補給の頻度を意識的に増やすだけでも、熱中症の発生リスクを減らせるでしょう。
(※)熱中症リスクを表す指標
 

休憩をこまめにとる

単にこまめに休憩するだけでも熱中対策として効果的です。
先述した通り、安静時と作業時では作業時の方が熱中症リスクは高くなります。夏場は作業時間を減らし、安静にする時間を増やすだけでも、体内の水分ロスを防いで熱中症のリスクを低減できるでしょう。
 

日頃から健康管理を意識する

熱中症を予防するためには、日常的な健康管理も意識する必要があります。
例えば、睡眠不足や二日酔いなど、元々コンディションが悪い状態で作業すると、熱中症も発生しやすくなります。だからこそ、夏場は夜更かしや深酒を避け、普段以上に体調管理を徹底することが大切です。
熱中症になりづらい丈夫な身体を作るためにも、栄養バランスの良い食事を取り、ぐっすり眠れる睡眠環境を整えましょう。
 

工場全体の対策

工場全体で実施するべき主な暑さ・熱中症対策は、以下の通りです。
 
  • 作業環境を整備する
  • 作業内容や時間を管理する
  • 作業員の健康管理を徹底する
  • 労働衛生教育を実施する
ここからは、各対策の詳細を解説します。
 

作業環境を整備する

工場全体で実施するべき熱中症対策の一つが、環境整備です。
具体的には、工場内の「WBGT値」を低減させる必要があります。WBGT値とは、暑熱環境における熱ストレスと熱中症リスクの高さを表した数値です。
◼️WBGTとは WBGT(Wet Bulb Globe Temperature、湿球黒球温度)とは、熱中症の予防を目的として活用される「暑さ指数」。
人体の熱収支に大きな影響を与え、熱中症の発症に関与する「気温」「湿度」「日射・輻射」の3要素を総合的に評価した数値。
WBGTの数値が大きいほど、熱中症の発生リスクも高まり、28以上は厳重警戒が求められる。
参考:暑さ指数(WBGT)について
 
工場内のWBGT値を低減させる対策としては、休憩所の設置や空調設備の導入などが挙げられます。
特に、工場全体の熱中症リスクを抜本的に低減するためには、空調設備(エアコン)の導入が欠かせません。空調設備の導入によって、熱中症リスクを高める要因となる気温と湿度を下げられるため、作業環境の大幅な改善につながるでしょう。
 

作業内容や時間を管理する

工場全体で取り組む熱中症対策の一つが、作業内容や業務時間の管理および改善です。
前述したとおり、熱中症の発生リスクは作業強度によっても増減します。従業員の身体的負担を軽減するためにも、夏場のみ休憩を増やし、作業時間を短縮することで熱中症の予防につながるでしょう。
また、夏場の作業内容に関しても考慮する必要があります。暑さが厳しい時間帯には、体力の消耗を避けるなど、熱中症対策と作業の効率化を両立できる夏季スケジュールを組むのも効果的な対策の一つでしょう。
加えて、熱中症の発生リスクを低減するためには、暑熱順化(熱に慣れ、当該環境に適応すること)も必要です。暑さのピーク時期を迎えるまで計画的に暑熱順化期間を設けることで、熱中症の発生リスクを下げられます。
 

作業員の健康管理を徹底する

工場単位で作業員全体の健康管理を実施することも、熱中症の予防につながる重要な対策です。
責任者および管理者は、日常的に従業員の健康状態を確認し、適宜指導と処置を行う必要があります。具体的には、以下のような項目を確認しましょう。
 
  • 睡眠不足
  • 体調不良
  • 前日等の飲酒
  • 朝食の未摂取 など
また、従業員の健康状態を正確に把握するために、定期的な健康診断も必要です。診断結果に基づき、健康相談を行い、熱中症の芽を摘むための対策を進めましょう。
 

労働衛生教育を実施する

労働者を高温多湿の環境で作業に従事させる場合は、労働衛生教育を実施しなければなりません。管理者および労働者に対して、以下のような項目を周知しましょう。
 
  • 熱中症の症状
  • 熱中症の予防方法
  • 緊急時の救急処置
  • 熱中症の事例
労働衛生教育によって、熱中症対策に関する従業員一人ひとりの意識を高めることが大切です。水分・塩分のこまめな摂取や透湿性・通気性の高い服装などを推奨し、すべての従業員が個人的な熱中症対策に注力する職場を目指しましょう。
 

工場用の空調設備を選ぶ際のポイント

工場用の空調設備を選ぶ際のポイント
工場用の空調設備を選ぶ際は、用途や設置場所の面積に適した風量であるかを確認しましょう。

例えば、敷地面積の広い工場内全体の室温を下げたい場合は、風量の大きい空調設備が最適です。1台で広範囲をカバーできる空調設備であれば、導入する台数は最小限で済みます。

対して、作業空間のみを局所的に冷却したい場合であれば、大掛かりな空調設備を導入するよりもスポットクーラーのほうが費用対効果は高いでしょう。

また、空調設備のサイズも製品選定時にチェックしておきたいポイントです。設置予定場所と搬入経路を決めたうえで、対象の空間へスムーズに収まる本体サイズの設備を選ぶ必要があります。

自社の環境に適した性能・サイズの空調設備を導入することで、コストを最小限に抑えながら熱中症の予防につながる快適な作業空間を実現できるでしょう。
 

工場の熱中症・暑さ対策にスポットクーラーが効果大

工場の熱中症・暑さ対策にスポットクーラーが効果大
工場の熱中症・暑さ対策におすすめなのが、スポットクーラーです。
スポットクーラーであれば、工場全体を空調するのではなく作業場をピンポイントで冷却できます。天井埋込型のエコアンなどに比べて手軽に導入できるため、大幅なコスト削減が期待できるでしょう。
ここからは、株式会社大同機械が提供する工場におすすめのスポットクーラーを紹介します。
 

おすすめのスポットクーラー「冷暖砲白サイくん」

冷暖砲白サイくん
おすすめのスポットクーラーは、工事現場・工場のために開発された超強力移動式エアコン「冷暖砲白サイくん」です。製品の主な特長としては、以下のポイントが挙げられます。
 
  1. 業界最大10馬力が生み出す大風量
  2. 搬入・搬出がスムーズな構造
  3. 安心の自動排水装置
  4. 設置工事が不要
ここからは、冷暖砲白サイくんの4つの特長と導入メリットを詳しく解説します。
 

特長1:業界最大10馬力が生み出す大風量

業界最大10馬力が生み出す大風量
冷暖砲白サイくんは、業界最大10馬力・最大130m3/minの風を放出可能なスポットクーラーです。
風速1m/sの風を20m先まで届けられ、1台で約200m2(約60畳)の大空間をカバーできます。面積の広い工場でも、従来品より少ない台数の空調設備で効率的に冷却可能です。
冷房はもちろん暖房としても使えるので、夏場の熱中症対策だけでなく冬場の環境改善ニーズがある事業者様にも最適な空調設備といえるでしょう。
 

特長2:搬入・搬出がスムーズな構造

搬入・搬出がスムーズな構造
キャスター付きの室内機・室外機一体型構造なので、搬入作業も楽々です。奥行きのないロングスパンエレベーターで上階まで搬入できるだけでなく、室内機と室外機を分離すれば、乗用エレベータからの搬出もできます。
 

特長3:安心の自動排水装置

安心の自動排水装置
冷暖砲白サイくんには、自動排水装置も付いています。ドレンパンの水量を水位センサによってモニタリングし、溜まった水をポンプで自動排水するので、床が濡れる心配はありません。
ポンプによって20m先まで排水できるため、万が一水があふれそうになった場合でも、エアコン本体の緊急停止が可能です。
 

特長4:設置工事が不要

特長4:設置工事が不要
さらに、三相200V(60A)コンセントに繋ぐだけで設置できるため、面倒な設置工事も不要です。移設も簡単なので、超強力エアコンでありながら手軽に使えるところも大きな魅力といえるでしょう。

仕様詳細

冷暖砲白サイくんの仕様詳細は、以下の通りです。
 
型式 標準型 回転型
室内機型式 SU-E280
室外機型式 DSAC-SU280
寸法(㎜) 室内機 W1690×D780×H1890 W1698×D784×H1890(使用時) W1482×D784×H1890(収納時)
室外機 W1230×D793×H1890 W1230×D793×H1890
自重(kg) 426(室内機:186 / 室外機240) 438(室内機:198 / 室外機240)
電源(V) 三相200( 50Hz/60Hz)
電源コード長さ(m) 10
冷媒 R32
定格最大能力(kW) 冷房 28.0
暖房 32.3
定格消費電力(kW) 冷房 8.24
暖房 7.29
最大運転電流(A) 43.2 50A漏電ブレーカー付
使用温度範囲(℃) 冷房 湿球温度:15〜23
暖房 乾球温度:17〜28
コンセント形状 60A引っ掛け
冷暖砲白サイくんのスペックを確認したい方や導入を検討している方は、以下のページからお気軽にお問い合わせください。
白サイくん詳細バナー

工場での熱中症・暑さ対策なら

工場の暑熱対策の重要性は高まっており、個人単位や企業単位で様々な対策が必要とされています。
なかでも、抜本的な改善効果を期待できる対策がエアコンの設置です。特に、スポットクーラーは作業空間をピンポイントで冷却できるうえに設置に手間がかかりづらいため、費用対効果の高い設備といえるでしょう。
なお、工場の熱中症対策として高い効果が見込める空調設備をお探しであれば「株式会社大同機械」にご相談ください。
 
株式会社大同機械は、仮設機材や資材のレンタル・販売、オリジナル商品の開発に携わる会社です。工事現場や工場・倉庫など、幅広いシーンで安全に効率よく業務を進めるために役立つ各種商品を取り扱っています。
弊社では、電話やFAX、ホームページからのお問い合わせはもちろん、仮設機材のレンタル・販売のネットショップ「仮設材.com」からのご注文にも対応しています。
また、ご希望の商品や数量が明確に決まっていない場合でも、工程ごとの最適な商品と搬入計画をご提案いたします。場合によっては、現地調査や製品の施工にも対応可能です。
 
本記事でご紹介した超強力移動式エアコン「冷暖砲白サイくん」以外にも、工場の環境改善や熱中症対策に役立つ設備・機材をご用意しています。
工場現場で抜本的な暑熱対策をしたい方は、お気軽に株式会社大同機械までご相談ください。
 
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