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【熱中症対策の義務化】詳細内容や企業が取り組むべきことなどを解説

2025.07.08
【熱中症対策の義務化】詳細内容や企業が取り組むべきことなどを解説
2025年6月1日、厚生労働省は職場における熱中症被害を予防するために労働安全衛生規則の改正を施行します。

法改正への対応が求められる事業者で、具体的にどのような取り組みを実施するべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そのような方に向けて、本記事では労働安全衛生規則の改正に伴う熱中症対策の義務化について詳しく解説します。

事業者に求められる取り組みの内容はもちろん、熱中症対策として高い効果が見込めるおすすめ製品も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

熱中症対策の義務化とは?

熱中症対策の義務化とは?
厚生労働省は職場における熱中症の重篤化を防止するために、労働安全衛生規則の改正と対策の強化に踏み切りました。2025年6月1日の法改正に伴い、事業者には熱中症の発生リスクが高い環境下における熱中症対策の実施が義務付けられます。

ここからは、労働安全衛生規則改正の内容・背景と、企業に求められる熱中症対策の詳細を解説します。自社で取り組むべき熱中症対策の内容を詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

改正の詳細内容

2025年6月1日から施行される労働安全衛生規則の改正によって、「熱中症を生ずるおそれのある作業」に関する項目が追加されました。

(熱中症を生ずるおそれのある作業)
第六百十二条の二

事業者は、暑熱な場所において連続して行われる作業等熱中症を生ずるおそれのある作業を行うときは、あらかじめ、当該作業に従事する者が熱中症の自覚症状を有する場合又は当該作業に従事する者に熱中症が生じた疑いがあることを当該作業に従事する他の者が発見した場合にその旨の報告をさせる体制を整備し、当該作業に従事する者に対し、当該体制を周知させなければならない。

2事業者は、暑熱な場所において連続して行われる作業等熱中症を生ずるおそれのある作業を行うときは、あらかじめ、作業場ごとに、当該作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じて医師の診察又は処置を受けさせることその他熱中症の症状の悪化を防止するために必要な措置の内容及びその実施に関する手順を定め、当該作業に従事する者に対し、当該措置の内容及びその実施に関する手順を周知させなければならない。

引用:厚生労働省令第五十七号労働安全衛 | 厚生労働省

上記の法令が追加された結果、熱中症による健康障害の疑いがある者の早期発見や重篤化を防ぐために必要な対応を実施することが事業者の義務となりました。

なお、改正法の対象となる「熱中症を生ずるおそれのある作業」とは、「WBGT28度または気温31度以上の作業場において行われる作業かつ、継続して1時間以上または1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれるもの」と定義されています。

■WBGTとは

WBGT(Wet Bulb Globe Temperature、湿球黒球温度)とは、熱中症の予防を目的として活用される「暑さ指数」。

人体の熱収支に大きな影響を与え、熱中症の発症に関与する「気温」「湿度」「日射・輻射」の3要素を総合的に評価した数値。

WBGTの数値が大きいほど、熱中症の発生リスクも高まり、28以上は厳重警戒が求められる。

参考:暑さ指数(WBGT)について

 

改正の背景

今回の法改正が実施された背景として、熱中症による労働災害と死亡件数の増加が大きく影響しています。

法改正以前にも熱中症の予防措置は、法令によって義務付けられていました。従来までも、労働安全衛生法第22条第2号に基づき、高温などによる健康障害を防止するために必要な措置が実施されていたのです。

第二十二条 事業者は、次の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

二 放射線、高温、低温、超音波、騒音、振動、異常気圧等による健康障害

引用:労働安全衛生法 | e-Gov 法令検索

上記の法令における「必要な措置」の具体例としては、労働安全衛生規則第617条に明記されている塩分・水分の備えが挙げられます。

(発汗作業に関する措置) 第六百十七条 事業者は、多量の発汗を伴う作業場においては、労働者に与えるために、塩及び飲料水を備えなければならない。

引用:労働安全衛生規則 | e-Gov 法令検索

しかし、世界的な気温変動も影響を受け、近年職場における熱中症による死亡災害は、2年連続で30人レベルを記録しています。また、年によってばらつきはあるものの、平成30年以降、職場における熱中症の発生件数も増加傾向にあるといえるでしょう。

職場における熱中症対策の強化について
出典:職場における熱中症対策の強化について

なお、熱中症によって死亡災害が発生する主な原因として、「初期症状の放置、対応の遅れ」が大きく関係しています。

そのような状況を深刻にとらえた政府は、熱中症による健康障害の疑いがある者の早期発見や重篤化の予防を実現するために、今回の法改正を実施しました。

 

企業に求められること

熱中症対策の義務化によって、企業に求められる対策は以下の通りです。
  • 体制整備
  • 手順作成
  • 関係者への周知
ここからは、各対策の詳細について解説します。

 

体制整備

企業および事業者は、熱中症被害者の早期発見につながる体制整備を実施する必要があります。

具体的には、事業場ごとに緊急時の連絡先や担当者をあらかじめ決めておき、熱中症の自覚症状がある作業者または、異変に気づいた者がスムーズに報告・連絡できるような体制を整えることが大切です。

また、緊急時の連絡経路を整備するだけでなく、熱中症の症状が発生している作業者の早期発見につながる以下のような対策も求められています。
  • 職場巡回の実施
  • バディ制の採用
  • ウェアラブルデバイス等の活用
  • 双方向での定期連絡の実施 など
上記のような対策によって、熱中症発生から処置までの時間を短縮することで、熱中症被害の重篤化や死亡事故発生の予防につながるでしょう。

 

手順作成

企業および事業者は、熱中症の症状悪化を防止するために必要な措置に関する内容や実施手順を作成しなければなりません。

なお、熱中症の悪化を防止するために必要な措置の具体例は、以下の通りです。
  • 作業からの離脱
  • 身体の冷却
  • 必要に応じて医師の診察または処置を受けさせること
  • 事業場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先および所在地の確認 など
緊急時の対応を事業場ごとにあらかじめマニュアル化しておくことで、処置の遅れや症状の悪化を食い止める効果が期待できるでしょう。

 

関係者への周知

関係者への周知も、企業および事業者に義務付けられている熱中症対策の一つです。

熱中症発生時に備えて体制やマニュアルが整っていても、すべての作業員が内容を把握できていなければ、対策の効果は現れません。

そのため、朝礼場所や休憩場など作業者の目につきやすい場所への掲示や、メールでの送付によって、関係者全員に必要な情報を周知することが大切です。

 

企業が行うべきその他の熱中症対策

企業が行うべきその他の熱中症対策
企業が行うべきその他の熱中症対策として、以下のような取り組みが挙げられます。

実施するべき取り組み 具体的な対策
暑さ指数(WBGT)の把握の準備 ・WBGT指数計の準備、点検
・熱中症特別警戒アラート、熱中症警戒アラートの確認
作業計画の策定 ・夏季の暑熱環境下における作業計画の策定
・暑熱順化プログラムの実施
・WBGTに応じた十分な休憩時間の確保
設備対策の検討 ・簡易的な屋根の設置
・通風または冷房設備の設置
・ミストシャワーなど散水設備の設置
・冷房設備等の機能点検
休憩場所の確保の検討 ・冷房を備えた休憩場所の設置
・日陰の涼しい休憩場所の確保
服装等の検討 ・透湿性及び通気性の良い服装の準備
・通気性の良い帽子、ヘルメットの準備
・身体を冷却する機能をもつ服やヘルメットの採用

参考:令和 7 年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」実施要綱

上記のような取り組みによって、熱中症の発生を未然に防ぎ、快適に作業を進められる労働環境を整えましょう。

 

熱中症対策におすすめの製品

熱中症対策に役立つ設備・機材をお探しの場合には、株式会社大同機械にご相談ください。弊社では、建設・建築現場をはじめ、幅広いシーンで活用できる以下のような空調設備を取り扱っています。
  • 冷暖砲白サイくん
  • スポットバズーカ
ここからは、各製品の特徴や詳細を詳しく紹介します。自社で活用するのに最適な性能を持つ空調設備をお探しの方は、ぜひ参考にしてください。

 

冷暖砲白サイくん

冷暖砲白サイくん
冷暖砲白サイ君は、工事現場のために開発された超強力な移動式スポットエアコンです。

業界最大クラスである10馬力のパワーを誇り、風速1m/sの風が20m先まで届く大風量を実現。一般的に、風速1m/sで体感温度が1℃下がると言われており、工事現場や工場など面積の広い空間も効率的に冷却できます。

また、冬場は暖房としても活用できるため、年間を通して快適な作業環境を実現するために役立つでしょう。

冷暖房性能だけでなく可搬性も高く、工事用のロングスパンエレベーターやフォーク、ユニックなど幅広い方法でスムーズに搬入可能です。搬出時は室内機と室外機を分離することで、乗用エレベーターで手軽に運搬できます。

さらに、三相200V(30A)コンセントに繋ぐだけで簡単に設置できるのも利便性の高いポイントです。工事が不要なうえ、床の水濡れを防ぐ自動排水装置付なので、幅広い場所で活用できる冷暖房設備といえるでしょう。

なお、冷暖砲白サイくんの仕様詳細は、以下の通りです。

型式 標準型 回転型
室内機型式 SU-E280
室外機型式 DSAC-SU280
寸法(㎜) 室内機 W1690×D780×H1890 W1698×D784×H1890(使用時) W1482×D784×H1890(収納時)
室外機 W1230×D793×H1890 W1230×D793×H1890
自重(kg) 426(室内機:186 / 室外機240) 438(室内機:198 / 室外機240)
電源(V) 三相200( 50Hz/60Hz)
電源コード長さ 10m
冷媒 R32
定格最大能力(kW) 冷房 28.0
暖房 32.3
定格消費電力(kW) 冷房 8.24
暖房 7.29
最大運転電流(A) 43.2 50A漏電ブレーカー付
使用温度範囲(℃) 冷房 湿球温度:15〜23
暖房 乾球温度:17〜28
コンセント形状 60A引っ掛け

冷暖砲白サイくんのスペックを確認したい方や導入を検討している方は、以下のページからお気軽にお問い合わせください

>>冷暖砲白サイくんに関するお問い合わせはこちら<<

 

スポットバズーカ

スポットバズーカ
スポットバズーカは、バズーカ級の「爽快爆風」を発生させる強力スポットエアコンです。

強運転で83㎥/minの大風量を発生できるパワーを搭載。室内機から直進性のある強冷風を発生するだけでなく、室外機から発生する温風は高所に向けて排出する構造になっているため、効率的に作業空間を冷却可能です。

また、風量を無段階で調整できるボリュームコントローラーも備えているため、設置場所や作業空間の広さに応じて最適な出力を実現できます。

そのうえ、三相200Vコンセントに繋ぐだけで設置でき、キャスターによって移動も容易なので、場所を選ばず活用しやすい冷却設備といえるでしょう。

なお、スポットバズーカの仕様詳細は、以下の通りです。

電源 三相200V 50Hz / 60Hz
能力(kw) 暖房定格 11.2(5.0~18.2)
冷房定格 10.0(5.5~16.4)
消費電力(kw) 暖房定格 2.2
冷房定格 2.01
最大運転電流(A) 18.7
風量(m3/min) 強83、定格57
外形寸法(mm) W1330×L1310×H1810
自重(kg) 270
ケーブル長(m) 4

スポットバズーカのスペックを確認したい方や導入を検討している方は、以下のページからお気軽にお問い合わせください

>>スポットバズーカに関するお問い合わせはこちら<<

 

熱中症対策の義務化について

熱中症対策の義務化について
熱中症対策として活用できる設備をお探しなら「株式会社大同機械」にお任せください。

株式会社大同機械は、仮設機材や資材のレンタル・販売、オリジナル商品の開発に携わる会社です。工事現場や工場・倉庫など、幅広いシーンで安全に効率よく業務を進めるために役立つ各種商品を取り扱っています。

弊社では、電話やFAX、ホームページからのお問い合わせはもちろん、仮設機材のレンタル・販売のネットショップ「仮設材.com」からのご注文にも対応しています。

また、ご希望の商品や数量が明確に決まっていない場合でも、工程ごとの最適な商品と搬入計画をご提案いたします。場合によっては、現地調査や製品の施工も可能です。

熱中症対策以外にも、建設現場における設備・機材不足でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

>>お問い合わせ・お見積もりはこちら<<
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