高所作業を安全かつ効率的に進めるためには、墜落防止対策が必須です。高所において作業中はもちろん、高所への昇降・移動中にも墜落の危険が伴います。
そのような墜落事故による被害を抑え、作業の安全性向上に役立つ器具が「安全ブロック」です。
本記事では安全ブロックの設置基準や正しい使い方、注意点を詳しく解説します。幅広いシチュエーションで活用できるおすすめの安全ブロックも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
安全ブロックとは?
安全ブロックとは、高所作業や昇降時の墜落事故を防止するために活用される器具です。セーフティーブロックやリトラクタ式墜落阻止器具と呼ばれることもあります。
安全ブロックの基本構造として、円形の巻き取り器の両端に躯体や足場に取り付けるフックと、ハーネス・安全帯などの墜落制止用器具に接続するD型のコネクターが付いているのが特徴です。
転落時は巻き取り器から高速でロープが引き出されることで、ロック機能が作動し、作業者の墜落を防止します。自動車のシートベルトのように、ゆっくり引き出すとロックがかからない構造になっているため、ロープが届く範囲内であれば移動しながらの作業も可能です。
安全ブロックの設置基準
安全ブロックの設置基準として要点になるのが、作業床の高さです。
安全ブロックは、主に高さ2m以上で行われる高所作業の転落防止措置として使用されます。労働安全衛生法に基づく省令である「安全衛生規則(安衛則)」には、以下のように明記されています。
(要求性能墜落制止用器具等の取付設備等)
第五百二十一条 事業者は、高さが二メートル以上の箇所で作業を行う場合において、労働者に要求性能墜落制止用器具等を使用させるときは、要求性能墜落制止用器具等を安全に取り付けるための設備等を設けなければならない。
2 事業者は、労働者に要求性能墜落制止用器具等を使用させるときは、要求性能墜落制止用器具等及びその取付け設備等の異常の有無について、随時点検しなければならない。 |
引用:
労働安全衛生規則 | e-Gov 法令検索
安衛則521条における「要求性能墜落制止用器具等を安全に取り付けるための設備等」に該当するのが安全ブロックです。
また、同規則の第526条では、昇降時の墜落防止措置について以下のように言及しています。
第五百二十六条 事業者は、高さ又は深さが一・五メートルをこえる箇所で作業を行なうときは、当該作業に従事する労働者が安全に昇降するための設備等を設けなければならない。ただし、安全に昇降するための設備等を設けることが作業の性質上著しく困難なときは、この限りでない。
2 前項の作業に従事する労働者は、同項本文の規定により安全に昇降するための設備等が設けられたときは、当該設備等を使用しなければならない。 |
引用:
労働安全衛生規則 | e-Gov 法令検索
安全ブロックは垂直に昇降するはしご移動の墜落対策として活用されるケースも多く、安衛則が定める「安全に昇降するための設備等」に該当します。
したがって「安全帯やハーネスなどの墜落制止用器具を使用する高所作業時」または「高さ(深さ)1.5m以上の昇降が必要な箇所」が安全ブロックの主な活用シーンおよび設置基準といえるでしょう。
安全ブロックの正しい使い方
安全ブロックの正しい使い方を設置方法と使用方法に分けて解説します。
設置方法
安全ブロックを設置する際は、アンカーを決める必要があります。
アンカーとは、安全ブロックの接続ポイントのことです。主に、作業中の構造物や昇降に使用するハシゴ、足場など墜落の衝撃に耐えられる箇所に取り付けます。
作業内容、取付方法や設置する構造物によって適切なアンカーは異なるため、用途に適した製品を選択することが重要です。
なお、安全ブロックは、作業員の頭よりも高い位置に設置するのが基本です。設置が完了したら、作業員が装着しているハーネスや安全帯と接続します。
使用方法
平常時および移動時における安全ブロックの使用方法としては、墜落制止用器具と接続した状態で普段通り作業を行えば問題ありません。
ただし、安全ブロックには推奨作業エリアがあり、基本的に設置箇所の直下で作業するのが適切です。
安全ブロックの推奨作業エリアを超えて横移動すると、墜落時に躯体や構造物に激しく身体をぶつけてしまう可能性があるため、設置箇所の直下から30°程度までの範囲で使用しましょう。
なお、万が一墜落が発生した際は作業員を救助した後、直ちに安全ブロックの接続を外してください。墜落の衝撃によって安全ブロックが損傷している可能性もあるため、点検を行なった後、必要に応じて修理や買い替えを検討しましょう。
安全ブロックの使用に関する注意点
安全ブロックの使用に関する注意点は、以下の通りです。
- 安全ブロックと接続した状態での早い移動は避ける
- ロープを足や腕の下に通さないようにする
- 引き出したロープはゆっくり戻す
安全ブロックを接続した状態で素早く移動すると、ロックが作動して転倒や墜落につながる恐れがあるため、ゆっくり動く意識が必要です。
また、高所での転倒リスクと器具の故障を避けるためにも、ロープが身体に干渉しないように注意し、引き出したロープはゆっくり戻しましょう。
他にも、動作の不具合を避けるために、以下のような環境的な要因も考慮したうえで、適切な性能を持つ製品を選ぶ必要があります。
- ロープが機械や電線などと接触する可能性のある場所
- 火薬や薬品などの影響を受ける可能性がある場所
- ロープが障害物に干渉する可能性がある場所
特に、高温環境や鋭く尖った構造物等がある場所では、ロープが劣化・損傷する危険性があるため、耐熱素材を使用した製品を選んだり、エッジをカバーしたりといった対策が必要です。
最後に使用後の注意点として、メンテナンスも忘れてはなりません。
汚れが付着したまま放置すると、ロープの引き出しやロック機能が適切に作動しない可能性もあるため、定期的に水や中性洗剤で洗浄し、直射日光の当たらない涼しい場所で自然乾燥しながら保管しましょう。
【おすすめ製品】安全ブロック
高所作業の墜落防止措置として活用できる安全ブロックをお探しの方は、株式会社大同機械にご相談ください。
弊社では、幅広いシチュエーションで活用できる仮設用墜落防止装置として3種類の安全ブロックを取り扱っています。
それぞれ建設工事現場はもちろん、送電鉄塔や造船所、製鉄所などで発生する移動範囲の広い高所作業の安全対策に適した墜落防止器具です。
また、ステンレス製のワイヤを搭載している製品もあり、溶鉱炉のように合成繊維ロープを使用できない高温高熱の作業現場でも使用しやすいでしょう。
株式会社大同機械で取り扱っている各種安全ブロックの仕様詳細は、以下の通りです。
製品名 |
ウルトラロック(UL) |
型式 |
UL-12S |
UL-25S |
UL-30S |
ワイヤ(ステンレス) 直径(mm)× 長さ(m) |
4.3×12 |
4.3×25 |
4.3×30 |
落下衝撃荷重(kN/kgf) |
4.0/407 |
自重(kg) |
約5.1 |
約13.1 |
約13.5 |
製品名 |
タフブロック(HD) |
型式 |
HD-12 |
HD-15 |
直径(mm)× 長さ(m) |
4.76×12 |
4.76×15 |
落下衝撃荷重(kN/kgf) |
8.0/815 |
自重(kg) |
約5.9 |
約6.2 |
製品名 |
ライフブロック(LB) |
型式 |
LB-25 |
LB-35 |
直径(mm)× 長さ(m) |
4.76×25 |
4.76×35 |
落下衝撃荷重(kN/kgf) |
400 |
450 |
自重(kg) |
約10.5 |
約16.8 |
各製品の詳細を確認したい方や導入を検討している方は、以下のページからお気軽にお問い合わせください。
>>安全ブロックに関するお問い合わせはこちら<<
安全ブロックの設置基準・使い方について
今回は、安全ブロックの設置基準や使い方について解説し、弊社で扱っているおすすめ製品を紹介しました。
安全ブロックは、高所作業や昇降時の墜落事故を防止するために使用されます。
基本的にハーネス・安全帯などの墜落制止用器具と接続するだけで簡単に使用できますが、使用や設置に伴う注意点もあるため、本記事で紹介した内容を参考にして正しく活用しましょう。
なお、高所作業の安全性を高める安全ブロックをお探しなら「
株式会社大同機械」にお任せください。
株式会社大同機械は、仮設機材や資材のレンタル・販売、オリジナル商品の開発に携わる企業です。工事現場や工場・倉庫など、幅広いシーンで安全に効率よく業務を進めるために役立つ各種商品を取り扱っています。
弊社では、電話やFAX、フォームからのお問い合わせはもちろん、仮設機材のレンタル・販売のネットショップ「
仮設材.com」からのご注文にも対応しています。
また、ご希望の商品や数量が明確に決まっていない場合でも、工程ごとの最適な商品と搬入計画をご提案いたします。場合によっては、現地調査や製品の施工も可能です。
安全ブロック以外にも、建設現場における設備・機材不足でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
>>お問い合わせ・お見積もりはこちら<<