



屋上やベランダでの高所作業には、作業員の墜落や資材の落下といった人命に関わる重大な事故が発生するリスクがあります。そのような被害を未然に防ぐためには、墜落・落下事故を防止するための安全対策が必須です。
ただし、具体的にどのような安全対策が効果的なのかわからない方もいるのではないでしょうか。
本記事ではパラペットスタンションについて詳しく解説します。パラペットスタンションの必要性や選ぶ際のポイント、おすすめ製品も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Contents
パラペットスタンションとは、屋上やバルコニーなどに設置する墜落防止用の仮設手すり・防護柵の支柱のことです。
そもそも、パラペットとは建物の屋上やバルコニー、吹き抜け廊下などの外周部に設置されている低い立ち上がり部分を意味します。扶壁や胸璧、手すり壁などとも呼ばれ、主に雨水が直接外壁に流れ落ちる防水機能を担っています。
対して、スタンションとは柱や支柱を意味する仮設資材のことです。主に、作業床の縁や開口部など、墜落の危険がある場所に設置し、保護柵や親綱を設置するための縦地・支柱として機能します。
なお、パラペットは、落下防止や手すり・保護柵などを取り付ける土台としての役割も果たします。したがって、パラペットに取付可能な墜落防止用保護柵の支柱が「パラペットスタンション」なのです。
パラペットスタンションは、主に屋上やバルコニーの防水工事や設備工事、仕上げ工事などに必要な部材です。
前提として厚生労働省が公表している「安全衛生規則」では、高所作業の墜落防止措置について以下のように規定しています。
| ◾️安全衛生規則第518条 事業者は、高さが二メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない 2事業者は、前項の規定により作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。 ◾️安全衛生規則第519条 事業者は、高さが二メートル以上の作業床の端、開口部等で墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には、囲い、手すり、覆い等(以下この条において「囲い等」という。)を設けなければならない。 |
パラペットスタンションを選ぶ際は、以下のポイントを重視しましょう。
スタンションNREは、簡易的な取付が可能なパラペットスタンションです。
横地の単管を通すための受け金具とパラペットをしっかりグリップする取付金具を備えながら、持ち運びしやすいシャープなI型の外観になっています。
パラペットを挟み込む取付金具の出幅が短いため、作業スペースを圧迫せずに転落防止用の防護柵を設置可能です。
特に、床面積が狭い屋上やパラペットの内側面にも防水施工が必要な現場で役立つパラペットスタンションといえるでしょう。
なお、スタンションNREの仕様詳細は、以下の通りです。
| 自重(kg) | 8.0 |
|---|---|
| 挟み幅(㎜) | 0~600 |
パラペット手摺ⅡD型は、高い強度と安全性を備えたL字のパラペットスタンションです。
水平、垂直どちらでも取り付けられるため、建物やパラペットの構造、作業範囲に応じて柔軟に使い分けられます。
パラペットの内側に張り出して保護柵を設置できるため、より効果的な墜落防止対策として機能するでしょう。
また、仮設工業会の「枠組足場手すり枠の強度基準」及び「墜落防止設備等に関する技術」に準じた強度・構造で設計されているため、安全性が高いのも特徴です。
固定ボルトを締めるだけで簡単に取付けられるだけでなく、パラペットの挟み板にはゴムチップマットが備え付けられているため、躯体の損傷もケアできます。
なお、パラペット手摺ⅡD型の仕様詳細は、以下の通りです。
| 挟み板(㎜) | 12(ゴムチップマット) |
|---|---|
| 材質 | STKR400 亜鉛鍍金仕上 |
| 使用ボルト対辺(㎜) | 17 ※押しボルト・押え支柱固定ボルト・手摺柱固定ボルト |
| 自重(kg) | 13 |
| 垂直挟み幅(㎜) | 50~420 |
| 水平挟み幅(㎜) | 50~500 |
| 手摺柱間隔(㎜) | 2000 |