足場の設置や現場管理に携わる経験の浅いご担当者の中には「足場の朝顔って何?」と疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。
また、朝顔自体は知っていても、具体的な活用シーンや設置基準が分からないケースは少なくありません。落下物やゴミの飛散による事故を予防し、工事現場の安全性を高めるためにも、製品への理解を深めておく必要があるでしょう。
本記事では、足場の朝顔の製品概要や種類、設置基準について詳しく解説します。また、工事現場における落下物対策として高い効果を発揮するおすすめ製品も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
足場の朝顔とは?
足場の朝顔とは、落下物を防ぐために設置される防護棚のことです。主に足場から斜め上向きにせり出して設置する設備であり、設置後の形状が花のあさがおに似ていることから「朝顔」と呼ばれています。
朝顔は、工事現場で資材・工具などが高所から落下した際、通行人や作業員に当たらないように防ぐための安全対策です。厚生労働省が公表している「国土交通省の仕様書に基づいた足場等の安全対策」のなかでも、足場からの飛来・落下物による災害防止措置の一つに含まれています。
第三者を対象とした措置 【公衆災害防止対策】
現場の立地条件等を考慮し、必要に応じて以下の中から適当なものを設置
・メッシュシート
・垂直養生ネット
・防音パネル
・ネットフレーム
・防護棚(朝顔) |
引用:
国土交通省の仕様書に基づいた 足場等の安全対策
朝顔の設置基準
朝顔は必ず設置しなければならない安全設備ではありません。厚生労働省が定める「労働安全衛生規則」によると、落下物により、労働者に危険を及ぼす恐れがあるときは、設置しなければならないと義務付けられています。
(物体の落下による危険の防止)
第537条 事業者は、作業のため物体が落下することにより、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、防網の設備を設け、立入区域を設定する等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。 |
引用:
労働安全衛生規則(抄)
なお、朝顔の設置基準は、建設基準法施行令によって以下のように定められています。
(落下物に対する防護)
第百三十六条の五 建築工事等において工事現場の境界線からの水平距離が五メートル以内で、かつ、地盤面からの高さが三メートル以上の場所からくず、ごみその他飛散するおそれのある物を投下する場合においては、ダストシユートを用いる等当該くず、ごみ等が工事現場の周辺に飛散することを防止するための措置を講じなければならない。
2 建築工事等を行なう場合において、建築のための工事をする部分が工事現場の境界線から水平距離が五メートル以内で、かつ、地盤面から高さが七メートル以上にあるとき、その他はつり、除却、外壁の修繕等に伴う落下物によつて工事現場の周辺に危害を生ずるおそれがあるときは、国土交通大臣の定める基準に従つて、工事現場の周囲その他危害防止上必要な部分を鉄網又は帆布でおおう等落下物による危害を防止するための措置を講じなければならない。 |
引用:
建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)
つまり、水平距離が5m以内かつ、地盤面からの高さが3m以上の場所において、落下物によって工事現場の周辺に危害を生ずる恐れがある場合は、国土交通大臣の定める基準に従い、危害を防止するための措置が必要となります。
また、朝顔を設置する際の具体的な条件も、以下のように定められています。
- 隙間なく全面に設置する
- 水平距離を基準に2メートル以上の長さで設置する
- 足場の高さが10メートル以上で1段、20メートル以上で2段設置する
- 20度以上の角度を付けて設置する
上記のような設置基準に反すると、安全性を確保できないだけでなく、行政指導・処分や罰金等の刑事処分の対象になる可能性があります。
朝顔の種類
足場に設置する朝顔には、主に以下のような種類が存在します。
ここからは、種類別に特徴を解説します。
鋼製朝顔
鋼製朝顔とは、文字通り、鋼が使用された朝顔です。
強度と耐久性に優れており、特に人通りの多い通りに面する現場や、マンションの大規模修繕工事などで活用されます。
また、鋼製朝顔は一般的に専用部材を使わず、足場板と単管で組み立てる製品が多く、汎用的に使える傾向があります。
朝顔のなかでもスタンダードな種類として、幅広い工事現場で使われている製品といえるでしょう。
アルミ朝顔
アルミ朝顔は、アルミニウムで作られた朝顔です。
軽量性と耐食性に優れており、幅広い現場で長期的に活用しやすい傾向にあります。
運搬・設置がしやすいうえに、スパン毎に折り畳むこともできるため、屋上への荷上げ時は格納、必要に応じて展開といった形で、状況に合わせて柔軟に活用可能です。
ただし、アルミ足場は足場部材ではなく、専用の部材を使って組み立てる製品が多いため、コストがかかりやすい点がデメリットです。
シート朝顔
シート朝顔は、布やビニールなど各種シート製の朝顔です。
衝撃吸収性にも優れており、落下物への安全対策としても十分効果を発揮します。また、軽量かつ少ない部材で組み立てられるため、比較的簡単に設置・撤去でき、作業時間の短縮にも期待できるでしょう。
加えて、通気性の高いメッシュシート製の朝顔であれば、強風による影響も受けづらいのが特徴です。
ただし、鋼やアルミといった金属製の朝顔に比べて、物理的な強度は劣る傾向があります。
【おすすめ製品】アルミ朝顔
足場に設置する朝顔をお探しの場合には、株式会社大同機械にご相談ください。弊社では、仮設工業会認定品の「アルミ朝顔」を取り扱っています。
アルミ合金とFRP(樹脂)製万能板を使用した軽量かつ安全性の高い製品であり、従来製品と比較して取付や運搬時の作業性が飛躍的に向上しています。
また、専用のフレーム受け金具を使用することにより、枠組み足場だけでなく、くさび足場にも取り付け可能です。
さまざまな足場・現場環境において、落下物防止と都市美観の維持に役立つ安全設備といえるでしょう。
なお、株式会社大同機械で取り扱っているアルミ朝顔の仕様詳細(標準ピッチ)は、以下の通りです。
品名 |
型式 |
Nスパンあたりの数量 |
自重(kg) |
フレームL+斜材 |
ALA1LSA |
N |
9.3 |
フレームR+斜材 |
ALA2RSA |
N |
9.3 |
万能板受け(上) |
ALA318A |
N |
4.6 |
万能板受け(下) |
ALA418A |
N |
5.4 |
万能板押え |
ALA518B |
N |
1.8 |
振れ止め |
ALA618A |
N×2 |
2.1 |
フレーム受け金具 |
ALA7A |
N+1 |
2.5 |
斜材受け金具 |
ALA8BS |
N+1 |
8.5 |
FRP製万能板 |
ALAF1A_S |
N×6 |
5.0 |
他にも特殊ピッチ用やコーナー用の朝顔もご用意しています。各製品の詳細を確認したい方は、以下のページをご確認ください。
>>アルミ朝顔に関するお問い合わせはこちら<<
足場の朝顔について
足場の朝顔は、落下物によって工事現場の周辺や、労働者に危害を発生する恐れがある場合に必要な安全対策です。材質や性能が異なるさまざまな種類の製品が提供されているため、設置する現場の環境や用途に合わせて最適なものを選定しましょう。
なお、足場の朝顔をお探しであればぜひ「
株式会社大同機械」にお任せください。
株式会社大同機械は、仮設機材や資材のレンタル・販売、オリジナル商品の開発に携わる会社です。工事現場や工場・倉庫など、幅広いシーンで安全に効率よく業務を進めるために役立つ各種商品を取り扱っています。
弊社では、電話やFAX、フォームからのお問い合わせはもちろん、仮設機材のレンタル・販売のネットショップ「
仮設材.com」からのご注文にも対応しています。
また、ご希望の商品や数量が明確に決まっていない場合でも、工程ごとの最適な商品と搬入計画をご提案いたします。場合によっては、現地調査や製品の施工も可能です。
足場の朝顔以外にも、建設現場における設備・機材不足でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
>>お問い合わせ・お見積もりはこちら<<