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足場作業に関連する資格を紹介!取得方法や難易度も

2025.05.20
足場作業に関連する資格を紹介!取得方法や難易度も
労働災害の発生率が高く、死亡事故が起こる可能性もある足場作業を安全に行うためには、作業員全員が正しい知識を身につけることが大切です。

そのような知識を効率的に習得するために役立つのが、資格および特別教育制度です。

しかし、一口に足場の資格といっても複数の種類が存在するため、どれに取り組む必要があるのか分からない方も多いのではないでしょうか。

本記事では足場作業に関連する資格の種類ごとに、概要と取得情報の詳細を解説します。足場関連の資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

足場作業の資格の必要性

足場作業の資格の必要性
足場作業に関連する資格は、労働者の安全を確保するために必要です。

建設・建築現場では、足場からの墜落・転落による労働災害が多く発生しており、死亡災害も少なくありません。

厚生労働省の資料によると、令和3年度に発生した死亡災害のうち約3割を建設業が占めており、全業種中で最も高い値を記録しています。

また、建設業における死亡災害事故の内訳では、墜落・転落事故が最も多く、全体の約4割を占めています。

参考:墜落・転落災害をなくすために

上記のような状況を改善するためには、労働者自身が安全対策に関する知識を身につける必要があります。

作業者全員が足場に関する知識を身につけ、安全に工事を進められる体制を構築するために、特別教育や資格制度が設けられているのです。

また、資格は足場に関する技能や知識を証明するためにも役立ちます。取得することで仕事の幅を広げたり、待遇が良くなったりするなど、様々なメリットが期待できるでしょう。

 

足場作業に関連する資格

足場作業に関連する資格
足場作業に関連する主な資格は、以下の通りです。

  • 足場の組立て等作業従事者特別教育
  • 足場の組立て等作業主任者
  • 足場の組立て等作業主任者能力向上教育
  • 建築物等の鉄骨組立て等作業主任者
  • とび技能士
ここからは、各資格の詳細や取得する方法などを詳しく解説します。

 

足場の組立て等作業従事者特別教育

足場の組立て等作業従事者特別教育は、建設現場における足場の組立てや解体、変更などの作業を安全に行うために必要な知識を教育する講習制度です。

具体的には、以下のような内容の講習が実施されます。
特別教育の内容 所要時間
足場及び作業の方法に関する知識 3時間
工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識 30分
労働災害の防止に関する知識 1時間30分
関係法令 1時間

特別講習に実技項目はなく、学科のみ計6時間のプログラムを受講する必要があります。

なお、足場の組立て等作業従事者特別教育は、足場の組立て、解体、変更の作業に従事するすべての作業員が修了しなければなりません。

受講資格の要件として、18歳以上の方であれば、学歴や実務経験の有無を問わず受講可能です。

 

足場の組立て等作業主任者

足場の組立て等作業主任者は、高さ5メートル以上の足場または吊り足場(ゴンドラの吊り足場を除く)、張出し足場の組立て、解体、変更の作業を行う際に必要な国家資格です。

事業主は、足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者を作業主任者として選任し、その者の指揮のもとに作業を行わせなければなりません。

足場の組立て等作業主任者技能講習の内容は、以下の通りです。

講習の内容 所要時間
作業の方法に関する知識 7時間
工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識 3時間
作業者に対する教育等に関する知識 1時間30分
関係法令 1時間30分
学科試験 1時間

プログラムは2日に分かれており、1日目は学科を7時間、2日目に学科6時間と修了試験1時間の合計14時間をかけて講習を実施します。実技試験はなく、学科試験終了後、合格者には修了証が交付されます。

なお、足場の組立て等作業主任者を受講するためには、労働安全衛生規則別表第六に基づく次のいずれかの要件を満たさなければなりません。

一 足場の組立て、解体又は変更に関する作業に三年以上従事した経験を有する者

二 学校教育法による大学、高等専門学校、高等学校又は中等教育学校において土木、建築又は造船に関する学科を専攻して卒業した者(大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された者(当該学科を専攻した者に限る。)若しくはこれと同等以上の学力を有すると認められる者又は当該学科を専攻して専門職大学前期課程を修了した者を含む。)で、その後二年以上足場の組立て、解体又は変更に関する作業に従事した経験を有するもの

三 その他厚生労働大臣が定める者

引用:労働安全衛生規則 | e-Gov 法令検索

 

足場の組立て等作業主任者能力向上教育

足場の組立て等作業主任者能力向上教育は、足場の組立て等作業主任者技能講習の修了後に受講するプログラムです。

作業主任者を対象に、労働安全衛生規則の改正に対応した能力向上教育を実施します。能力向上教育の具体的な内容は、以下の通りです。

講習の内容 所要時間
最近の足場、部材等及びそれらの選択と管理 1時間
足場の組立て等安全施工と保守管理 4時間
災害事例及び関係法令 2時間

基本的には労働安全衛生規則の改正部分(足場等関係)を中心に合計7時間の講習を実施します。実技科目はありません。

なお、足場の組立て等作業主任者能力向上教育の受講資格は、以下の通りです。

  • 足場の組立て等作業主任者技能講習の修了から5年程度経過している方
  • 能力向上教育を受けてから5年程度経過している方
  • その他受講を希望される方(作業主任者講習を修了されていない方は受講不可)
基本的に足場の組立て等作業主任者の有資格者であれば、誰でも受講できる教育制度です。

 

建築物等の鉄骨組立て等作業主任者

建築物等の鉄骨組立て等作業主任者は、労働安全衛生法に定められた作業主任者(国家資格)の一つです。

建築物の骨組みまたは、金属製の部材によって構成される高さ5m以上の塔の組立てや解体、変更の作業を行う場合において必要な資格です。

事業主は、建築物等の鉄骨組立て等作業主任者技能講習を修了した者を作業主任者として選任し、その者の指揮のもとに該当作業を行わせなければなりません。

建築物等の鉄骨組立て等作業主任者技能講習の内容は、以下の通りです。

講習の内容 所要時間
作業の方法に関する知識 5時間
工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識 1時間30分
作業環境等に関する知識 1時間30分
作業者に対する教育等に関する知識 1時間30分
関係法令 1時間30分
学科試験 1時間

2日間で上記の合計11時間の講習を受け、修了試験に合格すると修了証が交付されます。

なお、建築物等の鉄骨組立て等作業主任者を受講するためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

一、建築物の骨組み又は塔であつて、金属製の部材により構成されるものの組立て、解体又は変更の作業(次号において「建築物等の鉄骨の組立て等の作業」という。)に関する作業に三年以上従事した経験を有する者

二、学校教育法による大学、高等専門学校、高等学校又は中等教育学校において土木又は建築に関する学科を専攻して卒業した者で、その後二年以上建築物等の鉄骨の組立て等の作業に従事した経験を有するもの

三、その他厚生労働大臣が定める者

引用:労働安全衛生規則 | e-Gov 法令検索

 

とび技能士

とび技能士は、都道府県職業能力開発協会が実施する技能検定制度の一種です。とび工事の施工に必要な技能・知識を認定する国家資格であり、1級・2級・3級の3区分に分かれます。

とび技能士の試験内容は、以下の通りです。

試験の区分 試験内容
1級・2級 実技試験 とび作業
学科試験 真偽法・ 多肢択一式:1時間40分
施工法、材料、建築構造、関係法規、安全衛生
3級 実技試験 とび作業:2時間
枠組、単管および木製足場板を使用して、
枠組応用登り桟橋の組立てを行う
学科試験 真偽法:1時間
施工法、材料、建築構造、関係法規、安全衛生

合格基準は、学科試験が100点満点中65点以上、実技試験は60点以上です。

また、経験年数(実務経験年数)によって受検できる等級が異なります。

等級 受験資格
1級 7年以上の実務経験(2級合格者は2年、3級合格者は4年)
2級 2年以上の実務経験または3級合格者
3級 年齢、学歴等に制限はなく誰でも受験可能

なお、受検に必要な実務経験年数は、学歴や職業訓練受講歴等に応じて短縮されます。

 

【おすすめ製品】可搬式作業台「デスクまたぎ」

【おすすめ製品】可搬式作業台「デスクまたぎ」
足場の設置が必要ない高さの高所作業には、株式会社大同機械が提供している可搬式作業台「デスクまたぎ」の導入をご検討ください。

デスクまたぎは、幅780mm長さ2100mmのワイドな天板と、高さ1300〜1600mmのキャスター付きはしごが組み合わさった形状の作業台です。

軽量性に優れたコンパクト設計を実現しており、作業床ごと折りたためるので、狭い現場にもスムーズに搬入出できます。

また、1人でも容易に高さ調整が可能な5段階60㎜ピッチの伸縮機能も備えているため、障害物の多い場所でも、手軽に広い作業スペースを確保できるでしょう。

さらに、本体2台を横に並べて連結できる拡張性も有しており、現場の仕様・条件に合わせて自由に作業スペースを調整可能です。

※連結する際は特別教育の受講が必要です。

加えて、安全確保に効果を発揮する各種オプションパーツも充実しているので、点検口作業や設備のメンテナンス、天井や壁の仕上・改修工事など、各作業の安全性と効率性を高めるために役立つでしょう。

型式 EPS-11
天板有効寸法 780mm
長さ 2100mm
作業床高さ 1300〜1600mm
ピッチ 60mm
設置寸法 814mm
長さ 2490mm
収納寸法 814mm
長さ 528mm
厚み 1315mm
自重 58kg
許容荷重 1.47/150(kN/kgf)
オプションパーツ ・妻側バー付手掛り棒
・セーフティガード
・はしご
・アウトリガー


なお、製品ページでは、詳細資料として「デスクまたぎ」のカタログも配布しています。製品の詳細を確認したい方は、以下のページをご確認ください。

>>「デスクまたぎ」のカタログダウンロード・お問い合わせはこちら<<

 

足場作業に関連する資格をチェック

足場作業に関連する資格には、さまざまな種類が存在し、役割や取得優先度は大きく異なります。

特に「足場の組立て等作業従事者特別教育」は、足場の組立てや解体、変更などの作業に従事するすべての作業員に受講義務があります。

資格・講習制度を積極的に活用し、墜落・転落災害のない安全な高所作業を実現するための知識を身につけましょう。

なお、建築・建設現場で使用する足場材や高所作業設備をお探しの方は「株式会社大同機械」へご相談ください。

当社では、本記事で紹介した可搬式作業台「デスクまたぎ」以外にも、安全かつ効率的な高所作業を実現する各種設備を販売・レンタルしております。

作業台や足場台、脚立などはもちろん、各種足場材やローリングタワー、高所作業車まで現場の状況やご要望に合わせて最適な高所作業設備をご提案可能です。

建設資材・設備不足でお困りの方、製品やサービスの詳細を確認したい方は、ぜひ株式会社大同機械までお気軽にお問い合わせください。

>>お問い合わせ・お見積もりはこちら<<
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