
EPS(電気配管区画)は、電子機器を扱う高層ビルにおいて必要不可欠な設備です。
しかし、EPSという単語を耳にしたことはあっても、正確な意味を理解できていない方もいるのではないでしょうか。
そのような方に向けて本記事では、建築・建設業界で頻出する「EPSとは何か」を詳しく解説します。
EPSの必要性や役割はもちろん、EPS室での作業における課題と解決策として活用できるおすすめ設備も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
EPS(電気配管区画)とは?
EPS(電気配管区画)とは、Electric Pipe Space(エレクトリック・パイプ・スペース)または、Electric Pipe Shaft(エレクトリック・パイプ・シャフト)の略称であり、電気や通信を通す配線を収納するスペースです。
一般的に外部からビルなどの建物に引き込まれる電気は、地中からEPS内の配線を通して各階層へ供給され、分電盤や制御盤を通った後、フロア全体に配電されます。
つまり、EPSとは建物の上下階をつなぐ縦長の空洞スペースのことであり、各階に分電盤や制御盤が設置されています。
EPSがないと各階をつなぐ配線が丸見えになってしまうため、複数階にまたがって配線を計画する際は、設置が求められるスペースといえるでしょう。
なお、鉄筋コンクリート構造の建物にEPSを設置する場合は、コンクリートスラブにあらかじめ縦方向に上下階をつなぐ空間を用意しておく必要があります。
そのため、ビル等の設計・建設をする際は、将来の機器増設などによる電力供給増加も見据えたうえで、十分な拡張スペースを確保しておくことが大切です。
EPSが必要な建築物
EPSは、主に以下のような建築物に必要な設備です。
- 事務所・オフィスビル
- 高層マンション
- その他、電子機器を活用する高層階の建物 など
基本的にEPSは、複数階におよぶ配線計画が必要な事務所・オフィスビルや高層マンションなどの建築物に設置されます。
対して、一般住宅や小規模な店舗・事務所などの建築物においては重要性が低い設備であり、設置されないケースも多いようです。
EPSを設置する際のポイント
一般的にEPSを設置する際は、基準階面積の1〜2%の面積が必要とされています。事務所ビルの場合は、500〜700平方メートルのスパンに1箇所の設置が必要です。
他にも、EPSの設置には、以下のようなポイントがあります。
- 幹線や分岐回路配線が出入りしやすい場所を選ぶ
- EPS内では強電系配線と弱電系配線を分離させる
- 電気室の直上または、周辺に設置する
- 共用部分に面した場所に設置する
EPSの設置場所は、幹線や分岐回路配線が出入りしやすい場所を選ぶのが望ましいとされています。同フロアの各部屋に均等に電力を供給するためには、負荷がかかりやすい照明やコンセントの中心付近に設置するのがベストでしょう。
なお、ノイズなどの障害を防止するために、電力供給用の強電系配線と通信用の弱電系配線を分離して配線しなければなりません。
また、一般的にビルへ電気を供給する際は、電線から地中を経由して建物内に引き込まれます。その後、ビルの1階や地下に設けられた電気室(受変電設備)で電圧を下げた後、EPS内の配線を通って各フロアに配電されるケースが一般的です。
そのため、EPSは電気室の直上または、周辺に設置されるケースが多いようです。ちなみに、電気室は電線の引き込み距離短縮や、メンテナンスの手間を考慮して前面道路に面した外周部に設けられる傾向があります。
上記に加えて、共有部に面した場所にEPSを設置することで、維持管理の効率化も図れるでしょう。
EPS室での作業における課題
EPS室での作業を行う場合、スペースの狭さが大きな課題となります。
前提としてEPSは、配線を収納するために設けられている空間であり、必要最最低限の狭いスペースである場合がほとんどです。
一般的に基準となる階層のフロア面積に対して、EPSの面積は1〜2%ほど必要とされています。
そのため、EPS室の内装・仕上作業や配線作業を行う際は、スペースの狭さから効率的に作業を進めづらい可能性があるでしょう。
また、EPSは各階層をつなぐ縦長の空間であるため、内部では高所作業に従事しなければならないケースも少なくありません。
しかし、空間が狭いことから足場の組み立てはもちろん、作業台も設置しづらい傾向にあります。
EPS内での各種作業を効率的に進めるためには、狭いスペースに設置できるかつ、安全性も確保できる足場設備が必要になるでしょう。
【おすすめ製品】ピット開口作業台
EPS室での高所作業には、株式会社大同機械が提供している狭小スペース専用作業台「
ピット開口作業台」が役に立ちます。
ピット開口作業台とは、狭い箇所の高所作業に最適なサイズ・機能を備えた作業台・足場台です。
製品の外枠には、下端幅が天板幅と同じ「ストレート階段枠」を使用しており、足場の組み立てや作業台の設置が難しい狭所にも対応可能なコンパクトなサイズを実現しています。
また、足を折りたたんだ収納状態では、φ600の穴に通せるほどの可搬性があり、搬入経路が狭い現場でもスムーズに持ち運べるでしょう。
そのうえ、幅400mmのワイドな作業床を搭載しているため、安全に高所作業を進められます。天板が広い分、作業スペースや資材・道具の置き場も確保しやすく、効率的に作業を進められるでしょう。
加えて「アウトリガー」や「壁当て」などの転倒防止機能や、転落防止対策になる「妻側一体式セーフティガード」を標準装備している点も安心して使えるポイントです。
EPS室内において安全かつ効率的に高所作業を進められる足場台をお探しの方は、ぜひ「
ピット開口作業台」の導入をご検討ください。
製品詳細
ピット開口作業台の製品・スペックの詳細は、以下の通りです。
型式 |
EPS-11 |
天板有効寸法 |
幅 |
400mm |
長さ |
1290mm |
作業床高さ |
790〜1150mm |
ピッチ |
20mm |
設置寸法 |
幅 |
528mm |
長さ |
1916〜2143mm |
収納寸法 |
幅 |
528mm |
長さ |
1442mm |
厚み |
213mm |
自重 |
15.9kg |
許容荷重 |
1.47/150(kN/kgf) |
付属パーツ |
・アウトリガー×2本
・壁当て×2本
・妻側一体式セーフティガード(L/R) |
なお、製品ページでは、参考資料としてピット開口作業台のカタログも配布しています。製品の詳細を確認したい方は、以下のページをご確認ください。
>>「ピット開口作業台」のカタログダウンロード・お問い合わせはこちら<<
EPS(電気配管区画)について
EPS(電気配管区画)とは、電気や通信を通す配線を収納するスペースのことです。
主に事務所・オフィスビルやマンションなどの高層建築物に設置されており、外部から取り込んだ電気を各フロアに供給するための設備です。
EPSは必要最最低限の狭いスペースであるケースが多く、高所作業を行うための足場を設置しづらいため、内部の配線作業や仕上作業が非効率になりやすい傾向があります。
EPSでの各種作業をスムーズかつ安全に進めるためには、狭いスペースに設置できる足場設備が必要です。
本記事で紹介した狭小スペース専用作業台「
ピット開口作業台」は、EPS室での作業を効率化できる製品の一つです。
製品の詳細を知りたい方や、導入時の流れや費用を確認したい方は、ぜひ株式会社大同機械までお気軽にお問い合わせください。
>>お問い合わせ・お見積もりはこちら<<