火気を扱うことも多い工事現場では、火災発生時の被害を軽減するために防炎対策を講じる必要があります。なかでも、一般的な対策として取り入れられているのが、防炎シートの使用です。
しかし、防炎シートは1類と2類に分かれており、それぞれ性能に違いがあるため、どちらを導入するべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、防炎シートの1類・2類の違いを詳しく解説します。防炎シートを選ぶ際のポイントやおすすめの製品も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
そもそも防炎シートとは?
防炎シートとは、燃えにくい性質を持った養生シートのことです。工事現場では、主に以下のような用途で活用されます。
- 落下物の飛散防止
- 粉塵の飛散防止
- 火の粉が飛ぶ溶接作業などにおける延焼防止
- 日よけ
- 作業現場の目隠し・囲い
- 資材の保護 など
建設現場や仮設足場では、火災発生時の延焼拡大を防止するため、防炎シートの使用が義務付けられています。
参考:
工事中の建築物で使用される「工事用シート」|JFRA 日本防炎協会
なお、防炎シートはあくまでも「燃えにくい=燃焼を抑える」ものであり、完全に燃えないわけではありません。防炎シートといえど火が直接あたれば、溶けて穴が空いたり、焦げたりすることは覚えておきましょう。
【防炎シート】1類2類の違い
防炎シートは、主に「1類」と「2類」の2種類に分かれ、それぞれ用途や使用箇所に違いがあります。防炎シートの区分は、機械的強度(引張・ハトメなど)の違いから「JIS A 8952(建築工事用シート)」によって定められているのが特徴です。
ここでは、防炎シートの1類と2類の主な違いを解説します。
参考:
JISA8952:1995 建築工事用シート
1類とは?
防炎シートの1類は、2類の製品と比較してシート自体の強度が高いのが特徴です。JIS A 8952(建築工事用シート)では、1類の建築工事用シートを以下のように定義しています。
| 1類:シートだけで落下物による危害防止に使用されるもの |
なお、1類シートは下表の規定に適合しなければならないと定められています。
| 引張強さ×伸び |
49.0kN・mm以上 |
| 引裂強さ |
対応する方向の引張強さの5 %以上かつ49.0N以上 |
| 接合部引張強さ |
母材の引張強さの70%以上 |
| はとめ強さ |
2.45N×はとめ間隔(mm)以上 |
| 耐貫通性 |
貫通またはシートが著しい損傷を生じないこと |
| 防炎性 |
・薄地(シートの質量が450g/m2以下)の場合は、JIS L 1091のA-1法の区分3及びD法の区分2に適合するもの
・厚地(シートの質量が450g/m2を超える)の場合は、JIS L 1091のA-2法の区分3及びD法の区分2に適合するもの |
1類シートは重量5kgの物体を高さ3mから落下させても、貫通または著しい損傷を受けない程度の強度を備えているのが特徴です。耐久性が高いことから、主に解体現場や高層ビルの建設現場など、強風や外的衝撃が予想される工事現場で外部足場の養生シートとして活用されます。
2類とは?
防炎シートの2類は、軽量性と作業性を重視して設計されており、1類シートと比較して強度は劣ります。JIS A 8952(建築工事用シート)による建築工事用シート2類の定義は、以下のとおりです。
| 2類:シートと金網を併用し、落下物による危害防止に使用されるもの。 |
なお、2類シートは下表の規定に適合しなければならないと定められています。
| 引張強さ |
490N以上 |
| 引裂強さ |
対応する方向の引張強さの5 %以上 |
| 接合部引張強さ |
母材の引張強さの70%以上 |
| はとめ強さ |
1.47N×はとめ間隔(mm)以上 |
| 防炎性 |
・薄地(シートの質量が450g/m2以下)の場合は、JIS L 1091のA-1法の区分3及びD法の区分2に 適合するもの
・厚地(シートの質量が450g/m2を超える)の場合は、JIS L 1091のA-2法の区分3及びD法の区分2に 適合するもの |
1類シートより耐久性に劣る2類シートは屋内作業や改修工事など、比較的安全性の高い現場で使用されるのが特徴です。シート単体では落下物を受け止められる十分な強度を備えていないため、金網やメッシュなどとの併用が推奨されています。
違いのまとめ
1類と2類の防炎シートの違いは、以下のとおりです。
| 項目 |
1類 |
2類 |
| 引張強さ×伸び |
49.0kN・mm以上 |
ー |
| 引張強さ |
ー |
490N以上 |
| 引裂強さ |
対応する方向の引張強さの5 %以上かつ49.0N以上 |
対応する方向の引張強さの5 %以上 |
| 接合部引張強さ
| 母材の引張強さの70%以上 |
| はとめ強さ |
2.45N以上×はとめ間隔(mm) |
1.47N以上×はとめ間隔(mm) |
| 耐貫通性 |
貫通またはシートが著しい損傷を生じないこと |
ー |
| 防炎性 |
・薄地(シートの質量が450g/m2以下)の場合は、JIS L 1091のA-1法の区分3およびD法の区分2に 適合するもの
・厚地(シートの質量が450g/m2を超える)の場合は、JIS L 1091のA-2法の区分3およびD法の区分2に 適合するもの |
上記の比較表からも、強度の面では防炎シート1類のほうが優れていることが分かります。強度以外の観点では、重量にも違いがあります。1類シートは丈夫な分、重量が重いのに対して、2類シートは軽量で扱いやすいのが特徴です。
見分け方
防炎シートの見分け方として、シートの色とハトメピッチがポイントになります。シートのカラーは製品によって異なりますが、1類は白やグレーが主流であり、2類は青や緑の製品が多い傾向にあります。
ハトメとは、シートに結束用の紐を通すための穴を補強する金属製のリングのことです。ハトメピッチとは、ハトメ同士の間隔であり、1類は約45cm、2類は約30cmが主流となります。
ただし、防炎シートの1類・2類の本質的な違いは、強度という目には見えない性能です。2種類のシートを見た目だけで正確に見分けるのは難しいため、必ずメーカーや提供元に性能を確認したうえで使用しましょう。
防炎シートを選ぶ際のポイント・注意点
防炎シートを選ぶ際は、性能とコストのバランスを考えることが重要です。
1類シートのほうが耐久性が高い分、本体価格も高いので、導入コストがかかります。とはいえ、防炎シートの設置場所によっては、2類シートの耐久性では十分な安全確保ができない場合もあるでしょう。
だからこそ、用途や使用場所を明確にしたうえで、予算とのバランスも加味しながら最適な性能の防炎シートを選ぶ必要があります。
また、シートの強度だけでなく、防炎性能も確認しておくべきです。
防炎シートには、類似品として「防火シート」という製品もありますが、性能面が大きく異なります。
防炎シートには、消防法施行規則が定める防炎基準を満たす製品であることの証明として、「防炎ラベル」が取り付けられているのが特徴です。対して、防火シートは法的に防炎性能が認められているわけではありません。
そのため、工事現場で使用する防炎シートを選定する際は、製品に防炎ラベルが付いているか確認しましょう。
【関連製品】白防炎シート
工事現場に設置する防炎シートをお探しであれば、株式会社大同機械にご相談ください。
弊社が取り扱う「白防炎シート」は、防炎試験(JIS L 1091)をクリアしており、消防法に基づく防炎物品認定ラベルが貼付されています。延焼防止はもちろん、作業者や歩行者を飛来落下物から守るために役立つでしょう。
なお、株式会社大同機械で取り扱っている防炎シートの仕様詳細は、以下の通りです。
| 型式 |
N-2 |
| 寸法(m) |
0.6 × 5.1 |
| 0.9 × 5.1 |
| 1.2 × 5.1 |
| 1.5 × 5.1 |
| 1.8 × 5.1 |
| 種類(JIS A 8952) |
2類相当 |
| 材質 |
ポリエステル |
| 被覆樹脂 |
ポリ塩化ビニル |
| 厚さ(㎜) |
0.3 |
| 引張強さ(N) |
0.49以上 |
| 引裂強さ(N) |
70以上 |
| ハトメ強さ(N) |
1.47 × ハトメ間隔(㎜) |
| 防炎性能 |
適合 |
白防炎シートの詳細を確認したい方や導入を検討している方は、以下のページからお気軽にお問い合わせください。
>>防炎シートの詳細はこちら<<
なお、株式会社大同機械では白防炎シートの他にも、工事現場で役立つ各種性能を備えた養生シートを用意しています。
防音性・耐久性に優れ、工事に伴う騒音を抑える「防音シート」や、各種工事現場の騒音を自然光を取り入れながら軽減する「採光防音シート」など、使用箇所や用途に合わせて適切な製品を取り揃えています。
工事現場で活用できる建築工事用シートをお探しの方は、株式会社大同機械までお問い合わせください。
>>防音シートの詳細はこちら<<
>>採光防音シートの詳細はこちら<<
防炎シートの1類2類の違いについて
防炎シート1類・2類の主な違いは、強度にあります。1類シートのほうが強度は高く、その分、2類シートは軽量性・作業性に優れるのが特徴です。
1類と2類の両方にメリット・デメリットがあるため、用途や使用場所を考慮したうえで、適切な性能・価格のシートを選定しましょう。
工事現場の防炎シートをお探しであれば「
株式会社大同機械」にお任せください。
仮設機材や資材のレンタル・販売、オリジナル商品の開発に携わる当社では、工事現場や工場・倉庫など、幅広いシーンで安全に効率良く業務を進めるために役立つ各種商品を取り扱っています。
また、ご希望の商品や数量が明確に決まっていない場合でも、工程ごとの最適な商品と搬入計画をご提案いたします。場合によっては、現地調査や製品の施工も可能です。
防炎シート以外にも、建設現場における設備・機材不足でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。