安全通路は工事現場や工場において、不慮の事故を防ぐために欠かせない設備です。労働安全衛生規則でも設置が義務付けられていることから、法的な要件を満たした適切な対応が必要となります。
とはいえ、安全通路を設置する際の基準が分からない方も少なくないでしょう。
そのような方に向けて、本記事では安全通路の定義や設置する際の法的要件を詳しく解説します。あわせて安全通路を設置する際に役立つ製品も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
安全通路とは?
安全通路とは、作業員が安全に通行できるように設けられた仮設通路のことです。主に工事現場や工場などに設置され、場内の事故防止に活用されています。
なお、安全通路は労働安全衛生規則によって、設置が義務付けられています。
第一節 通路等
(通路)
第五百四十条 事業者は、作業場に通ずる場所及び作業場内には、労働者が使用するための安全な通路を設け、かつ、これを常時有効に保持しなければならない。
2 前項の通路で主要なものには、これを保持するため、通路であることを示す表示をしなければならない。
引用:
労働安全衛生規則 第2編 第10章 通路、足場等|安全衛生情報センター
上記のとおり、作業場への安全な通路を設けるだけでなく、安全性を維持できるように常時整備し続けなければなりません。加えて、安全通路を適切に使用できるよう、通行者への周知も必要です。
安全通路を設置・整備することで、労働災害の発生リスクを低減できるだけでなく、作業環境の改善によって生産性の向上にもつながるでしょう。
作業通路との違い
安全通路と作業通路には、厳密な違いはありません。
労働安全衛生規則第540条では「事業者は、作業場に通ずる場所及び作業場内には、労働者が使用するための安全な通路を設け、かつ、これを常時有効に保持しなければならない」と定められています。法的な観点において「作業通路=安全な通路」と解釈されていることから、同等の意味合いといえるでしょう。
ただし、2つの通路を次のような意味合いで使い分けるケースもあります。
- 作業通路=作業員が作業のために使用する専用の通路
- 安全通路=施工管理者や見学者など、作業員以外も使用する通路
とはいえ、いずれの通路も安全に通行できる必要があるため、大きな違いはないといえるでしょう。
安全通路の基準・決まり
安全通路を設ける際は、労働安全衛生規則で定められた基準を満たす必要があります。具体的には、次のような項目において設置基準が設けられています。
ここからは、各項目別に設置基準を詳しく解説します。安全通路の設置を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
幅・高さ
労働安全衛生規則では、安全通路の幅や高さについて次のような基準を設けています。
(屋内に設ける通路)
第五百四十二条 事業者は、屋内に設ける通路については、次に定めるところによらなければならない。
一 用途に応じた幅を有すること。
二 通路面は、つまずき、すべり、踏抜等の危険のない状態に保持すること。
三 通路面から高さ一・八メートル以内に障害物を置かないこと。
(機械間等の通路)
第五百四十三条 事業者は、機械間又はこれと他の設備との間に設ける通路については、幅八十センチメートル以上のものとしなければならない。
引用:
労働安全衛生規則 第2編 第10章 通路、足場等|安全衛生情報センター
安全通路の幅に関しては、原則80cm以上と定められています。機械や設備がある場所に安全通路を設置する場合も同様です。
一方、安全通路自体の高さには明確な定義はありません。ただし、通路面から1.8m以内に障害物を置かないように定められているため、天井面は1.8m以上の高さが推奨されます。
ただし、上記はあくまでも目安にすぎないため、用途に応じた道幅を設ける必要があります。通行する人・物の数やサイズ、頻度などを考慮したうえで、安全を確保するために十分な道幅・高さを設定しましょう。
床面
安全通路の設置基準には、床面に関する項目もあります。
(作業場の床面)
第五百四十四条 事業者は、作業場の床面については、つまずき、すべり等の危険のないものとし、かつ、これを安全な状態に保持しなければならない。
引用:
労働安全衛生規則 第2編 第10章 通路、足場等|安全衛生情報センター
上記のとおり、安全通路の床面は転倒の危険が少ない材質・形状が推奨されています。また、つまずきやすべりの発生リスクを減らすためには、床面の水濡れや汚れ、凹凸、障害物などがないよう、日常的に点検・メンテナンスを行う必要があるでしょう。
照明
労働安全衛生規則には、安全通路の照明に関しても明記されています。
(通路の照明)
第五百四十一条 事業者は、通路には、正常の通行を妨げない程度に、採光又は照明の方法を講じなければならない。ただし、坑道、常時通行の用に供しない地下室等で通行する労働者に、適当な照明具を所持させるときは、この限りでない。
引用:
労働安全衛生規則 第2編 第10章 通路、足場等|安全衛生情報センター
上記のとおり、安全通路には通行を妨げない程度の照明・採光が必要となります。通行だけでなく、安全に作業を進めるために必要な明るさを確保できるよう、適切な照明器具や採光設備を活用しましょう。
ただし、坑道や地下室など薄暗い場所において、作業員が照明具を所持している場合は例外です。
その他
その他の設置基準として、避難通路の確保が義務付けられています。
(危険物等の作業場等)
第五百四十六条 事業者は、危険物その他爆発性若しくは発火性の物の製造又は取扱いをする作業場及び当該作業場を有する建築物の避難階(直接地上に通ずる出入口のある階をいう。以下同じ。)には、非常の場合に容易に地上の安全な場所に避難することができる二以上の出入口を設けなければならない。
2 前項の出入口に設ける戸は、引戸又は外開戸でなければならない。
(避難階段等の設置等)
第五百四十七条 事業者は、前条の作業場を有する建築物の避難階以外の階については、その階から避難階又は地上に通ずる二以上の直通階段又は傾斜路を設けなければならない。この場合において、それらのうちの一については、すべり台、避難用はしご、避難用タラツプ等の避難用器具をもつて代えることができる。
2 前項の直通階段又は傾斜路のうち一は、屋外に設けられたものでなければならない。ただし、すべり台、避難用はしご、避難用タラツプ等の避難用器具が設けられているときは、この限りでない。
(自動警報設備等)
第五百四十八条 事業者は、第五百四十六条第一項の作業場又は常時五十人以上の労働者が就業する屋内作業場には、非常の場合に関係労働者にこれをすみやかに知らせるための自動警報設備、非常ベル等の警報用の設備又は携帯用拡声器、手動式サイレン等の警報用の器具を備えなければならない。
(避難用の出入口等の表示等)
第五百四十九条 事業者は、常時使用しない避難用の出入口、通路又は避難用器具については、避難用である旨の表示をし、かつ、容易に利用することができるように保持しておかなければならない。
2 第五百四十六条第二項の規定は、前項の出入口又は通路に設ける戸について準用する。
引用:
労働安全衛生規則 第2編 第10章 通路、足場等|安全衛生情報センター
場内で事故が発生した際、作業員の命を守るために、通路だけでなく避難用器具や警報用器具なども備えておく必要があります。そのうえで万が一の際、適切に使用できるよう、日常的なメンテナンスと作業員への周知も実施しておきましょう。
安全通路を設ける際のポイント・注意点
安全通路を設ける際は、労働安全衛生規則の基準を満たすだけでなく、設置しやすさやコスト面も考慮しなければなりません。
原則として、強度や安全性の高い通路を設置しようとすれば、その分、工期や人的リソースなどの導入コストが増加します。いくら作業員の安全を確保するためとはいえ、必要以上に強固な安全通路を設置するのは、経営的にベストな選択とは言い難いでしょう。
特に、工事現場では恒久的に安全通路が必要になるわけではなく、一つの現場における工期の間で設置・解体を繰り返すことになります。そのため、可能な限りリソースやコストをかけずに、安全通路を設ける工夫が必要です。
【安全通路】関連製品
工事現場や工場への安全通路の設置をお考えの方は、株式会社大同機械にご相談ください。弊社では、以下のような関連製品を取り扱っています。
| 製品名 |
製品の特徴・用途 |
| グリーンロード |
・パーツを組み立てる構造の簡易安全通路
・フレームとパネルで構成されており、簡易的に安全通路を設置できる
・ノーヘルゾーンの安全確保に最適
・各パーツ単体は軽量なので、取り扱いや設置が簡単 |
| Rパイプ |
・仮囲い裏のスペースに通路を設置するためのパイプフレーム
・構成部材が少ないため、短期間で設置しやすい
・フレームの先端に懸架支柱が溶接されており、自在クランプを使って簡易的に通路を建造可能 |
| ラク²タラップ |
・傾斜が調整可能なアルミ合金製階段ユニット
・15〜70度まで11段階の角度調整がワンタッチで可能
・墜落防止対策として労働安全衛生規則改正に対応した手すりを採用
・さまざまな用途に対応できる豊富なサイズ設定 |
なお、上記の製品以外にも幅広い工事現場での安全確保に役立つ準備工事関連の設備・機材をご用意しています。各製品の詳細を知りたい、または確認しておきたい疑問やご相談がある方は、以下のページからお気軽にお問い合わせください。
>>準備工事製品に関する詳細はこちら<<
安全通路を設ける際には
安全通路を設ける際は、労働安全衛生規則の設置基準を満たす必要があります。作業員の安全を守るためにも、適切な通路幅や高さなど法的要件を遵守した安全通路を設置しましょう。
なお、安全通路の設置に役立つ機材・設備をお探しであれば「
株式会社大同機械」にお任せください。
株式会社大同機械は、仮設機材や資材のレンタル・販売、オリジナル商品の開発に携わる会社です。工事現場や工場・倉庫など、幅広いシーンで安全に効率よく業務を進めるために役立つ各種商品を取り扱っています。
また、ご希望の商品や数量が明確に決まっていない場合でも、工程ごとの最適な商品と搬入計画をご提案いたします。場合によっては、現地調査や製品の施工にも対応可能です。
安全通路に関連する製品のほかにも、建設現場における設備・機材不足でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。